睡眠中の照明、あなたは消す派?
それとも点けたまま派?
質の良い睡眠や健康のためには、睡眠中の照明は
「真っ暗にして寝る」
が正解です。
いつもは消しているのに 日ごろの家事や仕事の疲れから テレビはつけたまま…
しかも部屋の電気もつけっぱなしで…
寝落ち!
していませんか?
実は多くの研究で、睡眠中の照明が睡眠の質を低下させるだけでなく、肥満などの健康被害をもたらすことが明らかになっているのです。
今回は、睡眠中の照明が あなたの睡眠の質を低下し 肥満を加速している!についてお話ししていきます。
こんにちは。
あなたのココロとカラダのお悩みを根本改善する究極の健康美容法
ナースYUKOの すごい睡眠 ディープスリープケアです
さっそく、照明と肥満の関係についてお話ししていきますね。
目次
夜間に照明やテレビをつけたまま寝ると太りやすい
部屋で明かりをつけっぱなしにしたり、テレビを観ながら眠ることが、体重増加や肥満のリスクを高めている可能性があるという研究が すでに米国医師会が発行する医学誌「JAMA Internal Medicine」に2019年に発表されています。
照明をつけっぱなしで寝る女性は 肥満リスクが33%も高い!
4万3,722人の女性(35~74歳)を対象に行われた研究です。
対象者は、がんや心血管疾患のなどの病歴がなく、夜勤や昼夜逆転などの睡眠障害もなく、妊娠もしていない女性たち です。
彼女らに 夜間の睡眠時に部屋の明かりやテレビをつけっぱなしにしているかを聞き、約5年間の体重の推移や健康状態について調査が行われました。
その後平均5.7年間にわたり追跡調査が実施されました。
その結果、寝室でテレビや電灯をつけっぱなしにして眠っている女性は、睡眠中に部屋を暗くしている女性に比べて
5年間で体重が5kg以上増える確率が17%高く
BMIが10以上増える確率が13%
さらに
過体重(BMI値25~29.9)となる確率が22%
肥満(BMI値30以上)となる確率は33%
高くなることが分かったのです。
なぜ照明をつけたまま寝ると太りやすいの?
高カロリーで不健康な食事と 座ってばかりの運動不足の生活スタイルを続けることは、肥満につながるということは よく知られている事実です。
今回の研究は これに加えて、睡眠中の照明も肥満へ加担していることが 明らかとなったのです。
今や都市部では、夜間に人工の光を浴びることは あたり前になっています。
街灯や繁華街のネオンなどの人工の光が、人間の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌に影響し、その量は通常の半分以下になるそうです。
その影響は 24時間周期の体内時計や食生活を乱す可能性があります。
また、夜間に人工の光を浴びることによって、ストレスを感じたときに出る副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が刺激されます。
すると食欲がうまく調整できなくなったり、体の中の様々な代謝プロセスに影響すると言われています。
ヒトは遺伝的に 日中に日光を浴び、夜間は光から遠ざかるという自然環境に適応しています。
なので、夜間に人工光にさらされる生活スタイルが続くと、本来のホルモン分泌などのバランスが乱れます
その結果、肥満といった健康を脅かすことになるのです。
睡眠中の照明が心血管機能を害し 血糖値を下げにくくする
夜に照明をつけたまま眠ると、体内時計に影響し、質の良い睡眠をとれなり 肥満につながることがわかりました。
しかし、それだけではなかったのです。
心拍数も上がり 体が緊張した状態になり、さらには 血糖を下げるインスリンの作用(インスリン抵抗性)も悪くなることが わかったのです。
こちらは米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の研究で、詳細は「PNAS」に2022年3月14日掲載されています。
睡眠中の照明で心拍数が増加し身体が緊張する
昼間の日光は 交感神経系を活性化して心拍数を増加させてくれるので、活動的に過ごすことができます。
では、夜間に人工光を浴びたときはどうなるでしょうか。
今回の研究では、夜間に人工光を浴びたときも 昼の日光と同様の効果があることがわかりました。
昼夜を問わず私たちの生理機能を調節してくれているのが自律神経です。
自律神経には 活動モードの「交感神経」とリラックス・回復モードの「副交感神経」があります。
この2つの神経系が 交互に上昇、低下を繰り返しています。
日中は交感神経が優位、夜間は副交感神経が優位となります。
本来 睡眠中は副交感神経が優位で、血圧や心拍数、呼吸数、体温が低下し代謝も低下、身体を動かす筋肉も緩みます。
同時に、疲労回復を進め明日の活動のために心身を整えていくのです。
なので、睡眠中に交感神経優位の状態が長くなってしまうと、心拍数が増加し身体の筋肉も緊張状態となります。
睡眠の質が低下し、心身の回復ができないため 基本的な身体活動身体活動に不調をきたすのです。
身体活動機能や思考力、気分も低下するので、結果的に本来のパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。
睡眠中の照明で血糖値も上がる
さらに今回の研究では、明るい照明で眠った翌朝は、インスリン抵抗性が亢進することが 明らかになりました。
インスリンとは、食後に上昇する血糖値を正常範囲まで下げることができる 唯一のホルモンです。
インスリン抵抗性とは、血糖値を正常範囲に戻すために過剰なインスリンを必要とする状態のことです。
要するに インスリンが効きにくくなった状態です。
この状態が続くと、血糖値だけではなく血圧や血液中の脂質のコントロールにも異常が生じます。
その結果、糖尿病や高血圧、脂質異常症、それらが重なったメタボリックシンドロームなどといった生活習慣病が引き起こされるのです。
夜の照明から自分を守るヒント
光は目からでなく、皮膚からも感知しています。
人間の遺伝子は「暗闇で眠る」ことが当たり前です。
あなたの寝室の照明をチェックしてみましょう。
寝室の照明をチェックしてみよう
小さな光でも影響があります。
ある研究では、豆電球をつけて寝た子どもは、将来近視となる確率が高いという結果がでています。
寝室で推奨されるのは、顔の前に手を持ってきても見えないくらいの暗闇です。
寝室の電気を消して、光がないかチェックしてみましょう!
- 街灯の光
- 車のヘッドライト
- お店のネオン
- 電化製品の電源の明かり(テレビ、空気清浄機、エアコン、ポット等)
- 豆電球
- デジタル時計
睡眠中の光を減らすためのヒント
①寝室の照明は全て消して寝ましょう
高齢者の安全のために光が必要な場合は、目や身体に光があたらないフットライトにしましょう。
②寝室の照明の色を変えましょう
寝るときだけでなく、普段から寝室の照明の色は大事です。
脳にとって刺激が少ないのは、 琥珀色、オレンジ系の光です。
薄暗くしておきましょう。
日本の多くの住宅のように 寝室の区別がない場合の天井灯は リモコンなどで「暖かい色」や「明るさ」を選べるものに変えるとよいでしょう。
③カーテンを遮光カーテンに変えましょう
街灯や車のヘッドライトの光が 睡眠の質を悪くしていることも多いのです。
屋外の光が入ってくる場合は、遮光カーテンやブラインドにするか、顔や身体に光が当たらない位置にベッドを動かしましょう。
おまけ
今回の研究ではありませんが、蛍光灯のような青白い照明について興味深いお話しがまだまだあるのです。
・蛍光灯など夜の青白い照明の普及と「うつ病」の増加が比例している。
・蛍光灯など夜の青白い照明はストレスを与えるため、野菜や果物にあえて照明を当てることで「甘みの強い野菜や果物」を栽培している。
・蛍光灯など夜の青白い照明下では会話が減り、オレンジ色の暖色系の照明や蝋燭の光のもとでは会話が増える。
今晩から照明を消して寝よう
いかがでしたでしょうか。
起きている間の 高カロリーで不健康な食事と 座ってばかりの運動不足の生活スタイルは、肥満につながり 健康を害する大きな原因であることはご存じでしょう。
ですが あなたの気づいていない間に 眠っている間の寝室の照明が、 あなたの睡眠の質を奪い 肥満を加速し、命を縮めようとしています。
寝室の照明を消して眠ることは 食事や運動の生活スタイルを変える事よりも はるかに簡単にできることだと思います。
さぁ、今日からすぐに!
寝る前にカーテンを閉めて 寝室にある全ての照明を消しましょう。
その行動が あなたの睡眠の質を高め 幸せに生きるための大きな1歩となるのです。
もしあなたが 明るい状態で眠ることに慣れてしまい、「真っ暗だと眠れない。」場合は。タイマーで電気が消えるように設定しましょう。
それでも「不安で眠れない」場合は、あなたの心に影を落としている 何かがあるかもしれません。
睡眠の問題を抱えながら、1番良くないことは
1人で不安に思ったり心配する状態を長く過ごしてしまうことです。
少しでもおかしいな、不安だなと思ったら、決して1人で悩まずに まずは"ナースYUKO"にご相談ください。